愛媛と言えば「みかん」!柑橘栽培の実際のトコロ

移住

島に移住してきてからいろいろ知り合いが増えました。
で、島で知り合った人(ジイさん)からある日

「もうしんどいから代わりに面倒見てくれんか?」
と言われたのが、みかん畑でした。

何をしたら良いのかさっぱりわかってはいませんでしたが、
ジイさんが独りでやるのは大変そうだし、仕方ないからやってやるか、
と思って始めてからはや2年。

そんなこんなで始めたみかん栽培の実際のトコロのお話です。

みかん栽培始めました

みかん畑ってどれくらい?

みかん畑
みかん畑

みかん農家と言うには小さい畑です。
広さはおよそ1反(いったん)。約300坪です。

みかんの木は70本植わっていました。
普通に考えると気が遠くなる数ですが、栽培して販売することを考えると
実はものすごくちっちゃい規模です。
「農家です」なんて言うのは恥ずかしいくらい。

でも、「ちょっとみかん作ってみようか」なんて
気楽にできる規模ではないですよね。
木が70本て。

そんな微妙な規模。

みかん栽培ってどうやるの?

天草(あまくさ)みかん
天草(あまくさ)みかん

もちろん、今までみかんを育てたことなんてありません。
1年間はジイさんに教えてもらいながら一緒にやろうと言うことになりました。

と言っても、毎日毎日何かしら作業があるってわけではありませんでした。
何かしないといけない時期にまとまって作業がある感じです。

みかん農家の作業って?

じゃあ、何をしていたのか?ってことですが。

農業はやっぱり土が大事ってことで、
イチから始める場合は畑(果樹園地)の土づくりから始まります。

が、私の場合は既に木が並んでいる畑を引き継いだのでその辺はありませんでした。
楽ちん。

もう一つ楽ちんだったのは、引き継いだ年から実がなって収穫できること。

柑橘って、苗を植えてから実がなるまでだいたい3年くらいかかるんです。
これは大きなポイントですね。
苗代もかからずに、時間もかからずに収穫を体験できたのは良かったと思います。

ちゃんと実が付くかどうかもわからない不安なまま3年も面倒を見ないといけないとなると
かなりしんどい気がします。
もちろん実を付けない間も肥料とかは必要ですからね。

で、実際の作業の内容としては、こんな感じです。

・畑の除草(1年中)
・花が咲いたら摘花(4月~5月くらい様子を見ながら)
・実が付いたら摘果(6月~9月に様子を見ながら)
・防虫(1年中)
・収穫時期がきたら収穫(1月~2月)
・梱包して発送(1月~2月)
・収穫が終わったら剪定(3月~6月)
・定期的な施肥(年4~5回)

柑橘じゃない果物農家さんに比べると作業は少ないと思います。
それぞれ毎日作業があるわけでもないし、一日中作業するわけでもないし。
ま、そうは言っても肉体労働なのでラクなわけではないですが。

それぞれについて簡単に詳細を。

除草

草ぼーぼーだとやっぱり良くないので、雑草を処理します。

肥料をやっても雑草が吸収しちゃうし、
雑草だらけだと畑の風通しも悪くなっちゃうし、
雑草から虫が湧くし、
なにより見た目が悪い。

そんなわけで綺麗にしておくに越したことはないわけです。

ウチは刈払機でやっています
除草剤撒いた方が楽ですけどね。
樹間の狭いうちの畑ではとても大変なんです。

除草剤より刈払機の燃料代の方が安いし、
除草剤を使っていない畑のものを選ぶ方も多いですしね。
(2022年、除草剤の値段が恐ろしく上がっています。ガソリンも上がっていますが、比べられないくらい。)

ちょっとでも経費を浮かすべく腰イタタとなりながらも頑張って刈ります。
でも季節ごとに2日とかの作業です。
しんどいっちゃあしんどいかも。

摘花と摘果

まだ実が緑の状態
まだ実が緑の状態

花が咲いたら、花を摘みます。
実がなったら、実を摘みます。

どちらも実を付け過ぎないためです。

1本の木に対して、適度な実の量だけをつけておくようにしないと、
全部の実が小さいままになっちゃうからです。
ある程度間引いて、大きくしたい実にきちんと栄養が回るようにしてあげます。
ちゃんと摘果をしないと、驚くほどちーっちゃいみかんがぶどうのように出来上がります(笑)

作業量としては、6月に1週間くらい、9月くらいまでにあと2週間くらいのもんです。
うちは合計3週間もあれば、のんびりやっても終わります。
もちろん規模が大きければ忙しいと思います。

でも、せっかくいっぱい実を付けたものを自分で摘んでしまうのはなんだか寂しいもんです。

緑のみかんの使い道を研究中です。

防虫防除

虫よけ(農薬)をしないと、実がなっても汚くなっちゃいます。
虫が食べたり、病気になったりして、皮に傷がついちゃうんです。

ですが、ウチはあんまりしてません。

なぜ農薬を使わないかと言うと、農協などに出荷をしないからと言うのと、
(農協は、ちゃんと農薬を使わないと出荷できないんです。)
やっぱり食べ物なので、安心できるものが良いよねってことで
農薬は使わないようにしてます。

でも、まったく何もしていないわけではないんです。

マシン油というものを撒いています。
これはカイガラムシとかハダニとかアブラムシとかを窒息させるもので、
使っても有機農産物と認められるものです。

これしかしてません。
なので、販売時には「化学農薬不使用」と言っています。

作業自体は動力噴霧器を使って、年に3回か4回です。
それぞれ1日かからないくらいです。

さすがに何にもしないと汚すぎたり、病気になりすぎたりで見た目が悪すぎるんです。
オレンジ色のみかんが真っ黒になります(笑)
やっぱり病気になりすぎると味も悪くなりますよね。

これを全部人手で防虫していたら、人件費が異常なことになると思います。
完全無農薬栽培でやっているひとは尊敬します。
無農薬でキレイなみかんを作るなんてできる気がしません。

ちょっと黒点が目立ちます
ちょっと黒点が目立ちます

ウチでいちばん目立つのはこの黒い点々です。
黒点病と言います。人体には無害なんですが、やっぱり見た目が良くない。
見た目はよろしくないですが、人体にも味にも特に影響無いので現状はある程度諦めています。

これを改善していくのが今後の課題です。
来年はもっと綺麗な実にしたいと思います。

楽しい収穫の時期は短い!

収穫を待つ天草たち
収穫を待つ天草たち

食べ物を育ててきて、一番楽しいのはやっぱり収穫です。

収穫時期は1か月間くらいです。
1年間面倒を見てきて1か月間くらいしか楽しい収穫期間は無いのです…。

もちろん品種によりけりなんですが、
ウチで育てている品種は「天草(あまくさ)」という品種で、
1月中旬~2月下旬が収穫時期です。

まさに今!です。(笑) ※書いているのは2月中旬なんです。

ものすごくジューシーで甘いです。ゼリーっぽい感じもあります。
糖度も15度くらいあったりします。
系統にオレンジも入っているので、オレンジ風味のみかんです。
温州みかん(いわゆる普通のみかん)しか食べたことのない人は驚くと思います。

愛媛県だけで栽培されている高級みかん「紅まどんな」の親の品種なので、
ご存じの方はちょっと似てるなってわかると思います。

なんとなく押し付けられた感のあるみかん畑ですが、
今は来年への改善の楽しみと、純粋にあまくさの味を気に入っているので、
わりと楽しんでみかん畑を見ていられます。

作業は1日100kg摘んだとして、20日間程度ですね。

剪定は何が正解かわからない

収穫後は剪定します。

伸びすぎた枝、葉っぱが込み合っている枝、へんな感じに伸びちゃった枝なんかを
バシバシと切ります。

今年実を付けた枝は、来年実を付けないので切ります。
わかっている人が見ると、来年実を付ける枝がわかるそうです。

みかんの木は伸ばすとどんどん大きくなってしまうので、
収穫などの作業がしやすい程度の大きさにとどめるように切ります。
平気で3mくらいになっちゃうので。

でも毎年枝は同じようには伸びないし、同じ木も2本と無いので
きっと、ずっとよくわからないんだと思います(笑)

作業しながらすごく悩むってことも含めて、一番大変かも知れませんね。
収穫後と、夏枝が伸びる前くらいに1週間くらいずつやります。

本当に大変なのは剪定した後の枝の処分なんですけどね(笑)

まとめ。みかん農家は儲かるのか?

ウチは特に儲かりません。
ほんとうにまったく。
人件費を時給いくらとか考えることはしていません。
切なくなるだけなので(笑)

でも、何軒もの柑橘農家さんがあつまって、
たくさんの品種を、
ものすごく大規模に、
しっかりと会社組織を作ってやっているところは
ものすごく稼げるということも聞いています。

でもそれが、これからの農業のあり方だと思います。
農家って、本来はすごく稼げる業種ですからね。
しっかり人数を集めて、ちゃんと交代で休みを取ってやるのが良いと思います。

うちは個人でごく小規模なので、仕方ないです。
放置果樹園を減らす手助けになっていると思って、小さい幸せを見つけながらやっています。

で、収穫したみかん どうしてるの?

70本の木から収穫するみかん。
合計でおおよそ2000kgくらい採れます。

そんなもの、もちろん夫婦二人で食べきれるわけはありません。
ご近所さん、親戚に配るにもほどがあります。

いくら小規模と言えども、これだけ育てるのにもそれなりに肥料代、燃料代はかかります。
(意外にしっかりとかかるんです。肥料もがっつり値上がりしていってるもので。)

なので、ちゃんと販売しています。

販売には向かない小さすぎるもの、皮の見た目が悪すぎるもの。
これらはジューサーでもりもりとジュースを絞ってジャムにしています。

で、ジャムも販売しています。
(美味しいあまくさから作るジャムはやっぱり美味しいんです。)

と言うことで、激甘・化学農薬不使用みかん【あまくさ】に興味を持ってくださった方、
ホームページから販売しています。

ホームページではジャムも販売しています。

そして、メルカリshopsでも販売しています。

だまされたと思って、一度是非・・・!
(きっと損はしないと思います。美味しいもん。でも好みじゃなかったらごめんなさい。)

※2022年の天草(あまくさ)の販売は終了しました。
購入頂いた方、ありがとうございました。

生食のあまくさを味見してみたいと思ってくださった方はこちら → 伯方plus+(はかたぷらす)ホームページ

メルカリshopsのクーポンとか使いたいよって方はこちら → メルカリshopsの伯方plus+

また節操無く宣伝してしまいましたが、
助けると思って、一度あまくさを試してみてください。
本当に美味しいので。

でもでも、農家の人口は減る一方、農業従事者の平均年齢は上がる一方。
そんな状況は変えていかないといけないなと、
みかんを作ってみて本当に思うようになりました。

特に柑橘などの果物は自動化もしにくいし、
経費・人件費の削減も難しいし、
小規模だと専業農家では生活できないし、
なんとかできないものかと思いますね。

愚痴なのか何なのかよくわからなかった部分もありましたが、
最後までお読みいただきありがとうございました。

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